国立の魅力

国立の魅力、
それは、誰の〝ホーム"にもなってくれる街であることだと思う。
また国立の魅力はこの街に長く居れば居るほど、どんどん増えていく。
私は20年程この街に住んでいるが、国立駅に降りてホッとしなかった時は今まで1度もない。
まずは自然が多いところ。春は美しい桜並木で新年度の訪れを感じ、夏は新緑が猛暑を和らげ、秋は紅葉がしっとりとした気分にさせてくれ、冬は自然を生かした壮大なイルミネーションが心を温めてくれる。
初めて訪れる人は、都心から30分でこんな場所があるんだと驚くだろう。
次に文教地区であるところ。文教地区とは教育施設が多く集まっている地区の呼称であり、教育に悪影響を及ぼす店の建築が出来ない地区のことだ。
国立は都内で初めて文教地区に指定された。
近年、東京都内に文教地区が増えた。だが私は国立ほど環境が良い文教地区は他に無いと自信をもって言いたい。
文教地区であっても、人通りが多すぎて学生に優しい環境とは言い難い地区がたくさんある。逆にいくら自然が多くても、パチンコ店等が多ければ治安は良いとは言えない。つまり自然と文教地区の両方が整っている点は他の街にはない国立の魅力なのではないか。
また住宅が多いため、生活に便利で教育施設、スーパーや薬局等が充実し活気に溢れている
そして拘りの飲食店が多いところも魅力の1つだ。若者のお財布にも優しく美味しいアットホームな飲食店から、マダムに嬉しい時代の最先端をいくお洒落なカフェ、イタリアン、フレンチ料理店まである。
確かに、都心に住めば多くの路線が通っているため便利だ。こんなに国立が好きな私でさえ、通学の関係で山手線沿いや東急東横線沿いの人気の街に住んだ経験がある。
しかしそのような街に住んでも、国立に住んでいる時のような〝ホーム感"は全く無かった。駅を降りても、時間に追われる人々や人工的な景色ばかりが目についた。国立が恋しくなり時々国立に戻ってくると、毎回とてもホッとしたものだ。
国立駅を降りたら広がる、自然いっぱいのローターリーと大学通りは他の駅にはない安らぎを与えてくれる。まるで人々を「おかえりなさい」と出迎えてくれるような、包容力のある街だと思う。
私は毎晩、母と国立の大学通りを散歩している。おすすめは夕方の散歩だが、午後10時ごろに散歩をしても怖いと思ったことはない。
国立駅から続く大学通りは真っすぐ2キロ程あり、真ん中が車道、その車道を囲むかたちで左右に自転車道と歩道がある。
その歩道は上記した自然に囲まれていて、散歩をしていると、木々と一体になったような気さえする。私は幼い頃から心に余裕が無くなると、いつもこの道に助けられた。何故か心に余裕ができ、様々なものに感謝できるようになるからだ。
大人になった今でも母とはしょっちゅう喧嘩をするが、この散歩のおかげでいつも仲直りができるのだ。
四季折々の景色を見、木々の間を抜ける風を感じながら、ゆっくりと過ぎる時間を感じる。
国立に来ると、この街の魅力全てが皆を受け入れてくれる。
故郷がここでなくても、ここがあなたの〝ホーム"だよ。と言ってくれる街。それが国立だ。